アルゲリッチおばさんのショパン2020年10月11日 17:51

アルゲリッチおばさんのショパンのピアノソナタ3番が
YouTubeにUPされているのを見つけた。
2020/06/26だから結構新しい。
https://www.youtube.com/watch?v=syAYfBH6h8o

アルゲリッチおばさんの風貌、
私が子どものころ思い描いていた
魔法使いのおばあさんみたい(失礼!)
最近ソロでは弾かないという話を聞いた記憶があるけれど、
新型コロナウィルス関連なのかな。
観客のいないホールの収録みたいに見える。

音と響きがきれい。
私のおんぼろPC+スピーカーでも、
豊かな音色が聴き分けられるような気がします。
ときどき内声が現代音楽みたいに聴こえたりする。
これが楽譜通りの解釈なのか私にはわからないけれど、
なんかとってもおしゃれ。

全体がppで弾いているみたい。
最大でもmfくらい??
でも全然欲求不満にならない。
アルゲリッチおばさんすごい。

ショパンのソナタ3番はおばさんが若いころの演奏の
CDを持っているけれど、
若いころの演奏はぐいぐいとスピード感いっぱいで、
終楽章なんか大見得切ってる感じ。
思わず「マルタ屋!」と掛け声かけたくなっちゃうくらい。

それと比べると今回の演奏はずっと柔らかくて表情豊か。
私は今回の方が好き。
私なんかにジャッジされたら
アルゲリッチおばさん怒っちゃうだろうけれど。

2週連続で2020年03月06日 18:49

2週連続でポゴレリッチと萩原麻未さんを聴いてきた。

ポゴレリッチは2月16日サントリーホール。
お金ないからパイプオルガンの前のブロック。
でも意外にピアニストがよく見えるんですよ。

ポゴレリッチ、相変わらずの大男。
相変わらずテンポ遅い。
ショパンの舟歌なんて、遅すぎて別の曲に聴こえる。
こんなに遅く弾くの大変だと思う。

ラヴェルの夜のガスパールは、
超難曲で速く弾きたくても弾けない曲だから、
ゆっくりでもあんまり違和感がない。
スカルボは予想通りガンガン弾いてた。

いつもは譜めくりのお兄さんに辛く当たるのだけれど、
今回は機嫌が良かったのか優しかった。

ポゴレリッチ聴くのは4回目くらいだけれど、
すごい!と思う半面、
良いのか悪いのか私にはわからない。
相変わらず怪しさは満点だけど。

同じように、怪しい!ピアニストでも、
私にはアファナシエフの方が性に合ってる気がする。
このことを同僚の音楽おじさんに話したら、
にやにやしながら
「やっぱりそうだと思った」

何がやっぱりなんだろう???


萩原麻未さんは翌週2月22日東京文化会館小ホール。
巷は新型コロナウィルスで大変な騒ぎ。
山手線が空いていてほっと一安心。
文化会館のロビーが人であふれていてやばいと思ったら、
大ホールでオペラやってた。

萩原麻未さんのリサイタルは心なしかお客さんの年齢層が高かった。
萩原さんはポゴレリッチと違って小柄。
素敵な白いドレス。
最初のバッハのフランス組曲は抑えて弾いている感じ。
もっともガンガン弾く曲じゃないけどね。

次のシュトックハウゼンはパワー全開。
ご年配向きの曲じゃないと思ったけれど、
やっぱりお客さんの反応はいまいち。
もちろん盛大な拍手はあったけれど、
やんややんやの喝采ってわけじゃなかった。

席が下手の端の方(入口の近く)だったから、
ピアノの後ろの反響板の隙間から袖の様子が見えてて、
萩原さんが曲間にパイプ椅子に座って休んでいる様子
なんかが見えた。
じろじろ見ていたわけじゃないからね。

で、曲が終わって萩原さんがおじぎをして袖に引っ込んで、
拍手が鳴り止まなかったら出てくるつもり(たぶん)で、
背筋をピン!と伸ばしてスタンバイしてたのに、
拍手がしゅうっと止んじゃった。
なんかがっかり。

後半のプログラムも全体的に抑えた感じで、
萩原さんも没入って感じじゃなかった。
ずいぶん前にリストのパガニーニ大練習曲や
ドビュッシーを聴いたときのような衝撃はなかった。

萩原さんの名誉のために言うと、
質の高い演奏だったと思うし十分に楽しめました。
でも、ポゴレリッチの後だったからね。
私が妙な期待をしてしまったのかもしれません。
ちょっとタイミングが悪かった。

なかなか難しいものです。

お正月2020年01月02日 08:36

あけましておめでとうございます。

令和2年、どんな年になるのかな。
ひとつ歳をとることだけは確かだけれど。
あんまりうれしくない。

昨日は千葉のおばあちゃんの家に行って
一緒にお雑煮を食べた。
街には10月の洪水の影響がまだ残っていて、
休業したままのファミレスとか
廃業しちゃったお店とか
なんか寂しい。

今日は朝からシフラのCDを聴いてる。
ショパンのエチュードOp.10 と Op.25
めちゃくちゃですごい。
Op.10-1なんか、出だしから爆裂全開フル充電!(意味不明)

今までポリーニのCDが世界一だと思っていたけれど、
(その考えは今でも変わらないけれど)
世の中には違う世界があることがわかった。

年末に同僚の音楽おじさんが
「どうせ一緒に過ごす人なんかいないんだから貸してやるよ」
と言いながらシフラのCDを持ってきた。

失礼な!
セクハラで上長に告発してやろうかと思ったけれど、
CD聴きたいからありがたく借りてきた。
(借りてきてよかった)

シフラの演奏、全然スマートじゃないんだけれど、
不思議に心に沁みる。
何でだろうなあと考えたらわかった。
これ、演歌だよね。

楽譜にないようなタメがそこいらじゅうにあって
まるで演歌歌手のコブシ!
石川さゆりさんとか、森進一さんとか。
なんかアクセントも演歌っぽい。

Google先生に聞いてみたら、
シフラってハンガリー出身なんだね。
ハンガリーの民族音楽って全然知らないのだけれど、
演歌みたいにコブシがあるのかなあ。

明日からお仕事です。
一人前の社会人になれるよう頑張ります(今年の抱負)

仕事納め2019年12月28日 08:15

ウチの職場は昨日が仕事納め。

同僚の音楽おじさんの話だと、
以前の仕事納めはみんなで大掃除して、
お昼ごはんは会社持ちでおそばを食べて、
手の空いた人から順に帰ってよかったらしいけれど、
今は普段と同じ通常業務。
風情ないよね。
おそば食べせてくれ!というわけじゃないんだけどね。
(追記、当時は12月30日だったそうです)

先月の話になってしまうのだけれど、
11月25日、紀尾井ホールでアフャナシエフ聴いてきた。
とんでもないものを聴いてしまったような気がしてる。
興奮冷めやらぬうちに書こうと思っていたのだけれど、
仕事も冷めやらなかったので今日になってしまったのでした。

アファナシエフ大先生を聴くのはこれで4回目(かな??)
去年10月にさいたま芸術劇場で聴いたときは
よろよろと足取りが悪くて
さすがの大先生も歳には勝てないのかなと心配してた。

もしかすると聴けるのは今回が最後かも??
と思って奮発してS席を買った。
前から一ケタ列目のピアノの椅子の真正面!の席。
こんないい席で聴いたことないよー

前半はハイドンのソナタ。
なんか短調の変な曲(ごめんなさい)
ピアノもなんかカタカタした硬い音で、
感動とかそういうものはないけれど、
アファナシエフ大先生、去年より元気そうなので一安心。

後半はムソルグスキーの「展覧会の絵」
いつものようにお辞儀もそこそこに
パッと椅子に座って弾き始めたのだけれど、
最初の音が出る前に、
アファナシエフが一瞬ニヤッと笑ったような気がする。
なんか胸騒ぎがしてドキドキした。
最初の主題が鳴り出したとたんに超びっくり!!!!!
これまで経験したことのない深い深い響き!!
すごいパワー
ホール全体がワンワンと反響しまくってる。
目隠しして聴かされたら
さっきと同じピアノだとは誰も思わないよー

ピアノってこんなすごい音が出るんだ。

何か頭をガーンと叩かれたような衝撃を受けて
放心してたような気がする。
はっと我に返ったときには曲が終わりに近づいてた。
眠ってたわけじゃないからね。

これが音楽として良いのか悪いのか私にはわからないけれど、
衝撃としか言えない体験でした。

大先生、まだまだ元気そうだから、
来年も来日してね。必ず聴きに行くから。

ではみなさん、良い年をお迎えください。

台風と大雨2019年11月04日 17:46

9月から10月にかけて、台風15号と19号が立て続けにやってきた。
19号のときは近くの川があふれそうになって、
私のところは少し高いところにあるから大丈夫だと思ったけれど、
電車は止まっちゃうし、雨風はびゅうびゅうだし、
気が気じゃなかった。

10月25日の大雨では千葉のおぱあちゃんの家が冠水した。
家の前の道が川のようになって、庭が水浸しになった。
幸い床下には入らなかったって言うけれど、
玄関や庭がどろどろ。
ご近所には床上浸水した家もあって、
おばあちゃんは運がよかったって言っていたけれど、
体が悪いのにご近所の手伝いに行っちゃうから、
私が日曜日に庭の片づけとゴミ出しをやった。

近くを歩いてみると災害ごみがたくさん置いてあった。
小さいころよく買ってもらった近所のパン屋さんは、
設備が浸水して廃業を決めたそうです。

今日おばあちゃんから電話があって、
浸水した人たちの片づけはまだ終わっていないらしい。
お前は仕事してるし体弱いんだから来なくていいというけれど、
そういうわけにはいかないよね。

ずいぶん前だけどすみだトリフォニーでペライアを聴いたとき、
台風接近でひやひやしたことがありました。
そんなのを自慢げに話していた自分が恥ずかしい。