2週連続で2020年03月06日 18:49

2週連続でポゴレリッチと萩原麻未さんを聴いてきた。

ポゴレリッチは2月16日サントリーホール。
お金ないからパイプオルガンの前のブロック。
でも意外にピアニストがよく見えるんですよ。

ポゴレリッチ、相変わらずの大男。
相変わらずテンポ遅い。
ショパンの舟歌なんて、遅すぎて別の曲に聴こえる。
こんなに遅く弾くの大変だと思う。

ラヴェルの夜のガスパールは、
超難曲で速く弾きたくても弾けない曲だから、
ゆっくりでもあんまり違和感がない。
スカルボは予想通りガンガン弾いてた。

いつもは譜めくりのお兄さんに辛く当たるのだけれど、
今回は機嫌が良かったのか優しかった。

ポゴレリッチ聴くのは4回目くらいだけれど、
すごい!と思う半面、
良いのか悪いのか私にはわからない。
相変わらず怪しさは満点だけど。

同じように、怪しい!ピアニストでも、
私にはアファナシエフの方が性に合ってる気がする。
このことを同僚の音楽おじさんに話したら、
にやにやしながら
「やっぱりそうだと思った」

何がやっぱりなんだろう???


萩原麻未さんは翌週2月22日東京文化会館小ホール。
巷は新型コロナウィルスで大変な騒ぎ。
山手線が空いていてほっと一安心。
文化会館のロビーが人であふれていてやばいと思ったら、
大ホールでオペラやってた。

萩原麻未さんのリサイタルは心なしかお客さんの年齢層が高かった。
萩原さんはポゴレリッチと違って小柄。
素敵な白いドレス。
最初のバッハのフランス組曲は抑えて弾いている感じ。
もっともガンガン弾く曲じゃないけどね。

次のシュトックハウゼンはパワー全開。
ご年配向きの曲じゃないと思ったけれど、
やっぱりお客さんの反応はいまいち。
もちろん盛大な拍手はあったけれど、
やんややんやの喝采ってわけじゃなかった。

席が下手の端の方(入口の近く)だったから、
ピアノの後ろの反響板の隙間から袖の様子が見えてて、
萩原さんが曲間にパイプ椅子に座って休んでいる様子
なんかが見えた。
じろじろ見ていたわけじゃないからね。

で、曲が終わって萩原さんがおじぎをして袖に引っ込んで、
拍手が鳴り止まなかったら出てくるつもり(たぶん)で、
背筋をピン!と伸ばしてスタンバイしてたのに、
拍手がしゅうっと止んじゃった。
なんかがっかり。

後半のプログラムも全体的に抑えた感じで、
萩原さんも没入って感じじゃなかった。
ずいぶん前にリストのパガニーニ大練習曲や
ドビュッシーを聴いたときのような衝撃はなかった。

萩原さんの名誉のために言うと、
質の高い演奏だったと思うし十分に楽しめました。
でも、ポゴレリッチの後だったからね。
私が妙な期待をしてしまったのかもしれません。
ちょっとタイミングが悪かった。

なかなか難しいものです。